August 26, 2010

途上国共通の印象

実は南北アメリカ、オセアニアには行ったことないんですけど、割といろんな国に行っている方だと思います。旅行、仕事、あるいはストップオーバーなんかで、ざっと数えて30カ国くらい行ってるかな。

それでいつも思うのは、「途上国」共通の特徴ってなんだろうか、ということなんですよね。そりゃ、明らかに貧しければ途上国です。汚い池の水を汲んで飲料水にしてるとか、子どもが学校にも行かずゴミ箱漁ってるとか。そういう現象面の途上国ぶりを挙げるのは簡単なんですけど、気になるのは、どうしてそういう社会になっちゃうのか、何か共通のパターンがあるのだろうか、ということなんです。

何で、発展しないんだろう。

植民地支配時代からの歪んだ経済・社会構造が解消されない、自然環境が厳しい、政治が安定しない/腐敗している、競争力のある産業がない、そのどれも発展しない原因になりうる。

識字率が低い、衛生状態が悪い、食料難である、失業者が多い、医療機関がない。結果としてそんな状況に陥っており、その状況が世代を超えて受け継がれる悪循環を作っている。

どこで間違ったんだろう。

このブログでさらっとまとめられるような議論ではないし、このテーマだけで山ほど本や論文も出版されています。ただ、ただですね、途上国、先進国、まあその間の中進国を30カ国余り歩いてみて、発展していない国、あるいは少なからず豊かな人々がいても、どこか途上国風情から抜けきれない国には、なんとなく共通した印象があるように思うんですよね、私の主観に過ぎないかもしれないですけど。

「明日までにできます。」「こちらから後ほど電話をかけ直します。」「開会は午前9時です。」「これで問題ないはずです。」「たまたま今日は品切れです。」「不良品だったら交換します。」・・・この手の小さな約束が、およそ信用できないのが途上国っぽいと思うのです。全部、自分で責任を持って確認しないとうまくいかない。思い出してみると、ダメな国はみんなこんな感じだったような。できると言ったことができない、やると言ったことをやらない。どんなに見かけ上は豊かでも、曖昧な言葉なので使いたくはないんだけど「民度」が低いと、途上国っぽい印象が出てしまう。きっと彼ら彼女らはウソをつく気はないんでしょうけど、結果的に、日本人の私の常識からすればウソと同じことになってしまってます。もう、慣れましたけどね。

これが国が発展しない理由です、とは言えない。でも、国が発展しなかった結果こういう人間がいっぱいできました、とも言えない。要は、発展できない悪循環の輪の鎖の一部なので、理由でもあり、同時に結果でもあるんでしょう。

さて、とはいっても、何の答えにもなっていない。

どこで間違ったんだろう。何で発展しないんだろう。現に今、途上国である社会の特徴的な印象は共通なものがありますって言ったって、それは、はあそうですか、というだけの話であって、発展しない(あるいは少なくとも今までは発展していなかった)原因を説明したことにはならない。ましてや、解決策も提示できない。

まあね、明確な説明と、すっきりした回答がある問題ではないことは確か。強いて言えば構造の問題であり、システムの問題なんだよね。

少なくともじゃんじゃん援助をすれば解決するというような問題ではないよね。ひとりひとりの善意は大切だとは思うけど、篤志家の慈善活動もその成果は問題の全体像から見れば些細なものだったりする。

*   *   *

私個人としては、結局のところは、途上国の人々にも金儲けをしてもらうことしかない、と思うのです。小さくてもいいから、ビジネスを、経済活動を盛り上げるしかない。社会や個人の規律-decipline-もそこから生まれるんじゃないかと。国際援助も必要だけど、できることには限界があって、それだけでは問題が片付かないのは確かだと思うよ。

要は「経済」なんじゃないかと。

まあ、原因はそれだけではないし、「経済」のために援助も必要なんだけどね。「経済協力」なんて言葉もあるくらいでさ。

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